横浜市がIRの誘致を目指す動きに対し、市民が大きな反対の声をあげている。NHKによると、誘致に反対する団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」は11日会見を開き、誘致の是非を問う住民投票の実施に必要な署名が、これまでに1万2800人分集まったと発表した。市で住民投票を実施するには6万人分が必要という。
同団体は、さらに署名活動を続けて、林文子市長のリコール請求が可能になる50万人の署名も目指したいとしている。団体メンバーの岡田尚弁護士は「カジノの是非は市や経済界だけではなく市民が決めるべきで、住民投票に向けた運動にさらなる広がりをもたせていきたい」と話した。
同団体はまた、22日には5000人規模の反対集会を同市の山下公園で開催する。
市は4日と9日に、IR誘致に関する市民説明会を行った。横浜市の18区全てで市民説明会を実施する方針だが、市民の反対の声は根強い。4日には、かながわ市民オンブズマンが、IR事業者や開発業者などのコンセプト提案(RFC)に登録した事業者の非開示は不当として横浜地裁に提訴している。
米ウィン・リゾーツが15日に事務所開設
横浜市でのIR開発に手を挙げていたIR事業者の米ウィン・リゾーツが11日に声明を出し、15日に横浜ランドマークタワー内に事務所を開設すると発表した。
ウィン・リゾーツは、これまで大阪などを含めた大都市圏を中心に IR 候補地の調査・検討を進めてきたが、今後は横浜に経営資源を注力していく。同社日本法人のクリス・ゴードン代表は「今後は、このオフィスを起点に、『横浜フォーカス』の姿勢で、自治体や企業、住民の皆さまと丁寧に対話を重ね、唯一無二の日本型 IR の開発・運営のお手伝いができればと考えております」と述べている。
横浜でのIR参入を目指している香港のメルコリゾーツ&エンターテインメントも市内に事務所を構えているほか、米ラスベガス・サンズも横浜でのIRに参入すると見られている。
市は23日にコンセプト提案(RFC)の提出を締め切る。その後、事業者公募の詳細を盛り込んだ「実施方針」の策定に着手していく計画。