2020年09月23日

ゲーミングPC不要!? クラウドレンダリング活用しOculus Questで高忠実度のVRゲームがプレイ可能に

VR

ShadowクラウドPCサービスを提供しているフランスのスタートアップBladeは、購読者が所有するSteamVRゲームを、インターネット接続が良好な場所ならどこからでもプレイできるようにするOculus Questアプリのクローズドベータ版を開始する。

Oculus Questスタンドアロンヘッドセットの所有者は、Shadowを使用すると、ゲーミングPCを持っていなくても、Steamでゲームを購入し、Bladeに月額料金を支払うことで、「Half-Life:Alyx」のようなVRゲームをプレイできる。UPLOAD VRが伝えた

Shadowは、クラウド内のハイエンドPCへのリモートアクセスを顧客に提供するサブスクリプションサービスだ。 2017年にフランスで初めて発売された。Shadowを使用すると、ユーザーはPCのオペレーティングシステムに完全にアクセスできるため、ユーザーはゲームを含む任意のソフトウェアをインストールして使用できる。さらに良いことに、Stadiaとは異なり、ユーザーは既にSteamで所有しているゲームを再購入する必要はない。

実際、Shadowを使用してRiftとSteamVRのゲームをOculus Questにストリーミングすることは既に可能だ。 Virtual Desktopのパッチ(SideQuestの開発者から入手可能)を使用すると、アプリはデスクトップだけでなくVRをストリーミングでき、Virtual DesktopのデスクトップストリーマーはクラウドPCをサポートしている。

Shadowはこのプロセスを合理化して、Stadiaとほぼ同じ方法で使用できるようにしたいと考えてるが、必要に応じてユーザーがPCを自由に使用できるようにしている。

もちろん、クラウドストリーミングVRには明らかな問題点がある。それはレイテンシだ。 Oculus LinkとVirtual Desktopは、各フレームの圧縮(エンコード)と解凍(デコード)に時間がかかるため、「実際の」PC VRよりも待ち時間が長くなる。 USBとWiFiの帯域幅はHDMIやDisplayPortよりも桁違いに小さいため、フレームを圧縮する必要がある。各フレームはインターネットを介してShadowのプレミスから自宅まで移動する必要があるため、Shadowはこの待ち時間をさらに増加させる。

レイテンシに敏感な人にはじれったく感じるだろう。 QuestでShadowとVirtual Desktopをテストしたところ、ハイエンドのWiFiルーターを使用していても、レイテンシは非常に顕著でり、ゲームに没入しても慣れることができないかもしれない。一部の人は他の人よりもレイテンシを気にせずに使えるが、VRにうんざりしてしまった場合は、Shadowを使う代わりに本物のゲーミングPCを購入することを勧める。

Shadowの価格設定は、3段階になっている。

[ブースト] NVIDIA GTX 1080/4コア2.5Ghz CPU / 12 GB RAM = 15ドル/月
[ウルトラ] NVIDIA RTX 2080/4コアCPU / 16 GB RAM = 30ドル/月
[無限] NVIDIA TITAN RTX / 4-6コアCPU / 32 GB RAM = 50ドル/月

ゲーミングPCを使用したデータセンターの構築には時間がかかるため、現在、Shadowはサービスを提供するほとんどの国で待ちの状態になっている。日本も現時点で利用できない。

スタートアップの革新のペースは、大企業が匹敵できないものだが、大規模にアイデアを展開するのには苦労する。このアイデアを必要とするすべてのOculus Quest所有者がすぐに利用できるようにするには、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、フェイスブックのような巨人がリングに飛び込む必要があるだろう。 フェイスブック幹部は、低レイテンシのクラウドストリーミングを提供するための「新しいレンダリングアーキテクチャ」の必要性を示唆し、昨年後半にスペインのクラウドゲームスタートアップを買収している。

低レイテンシのクラウドVRをこの10年で消費者に提供できれば、モバイルとPCの電力のギャップを解消し、「Half-Life:Alyx」のような高忠実度のPCベースのエクスペリエンスを主流にすることができる。Shadowはこの未来を垣間見せてくれる。

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Marie Okamoto

東南アジアで記者経験をした後、日本に帰国。現在はTheDiceのコンテンツプロデューサーとして、海外のニュースを中心に配信。