2020年07月10日

VRで慢性疼痛を治療、開発企業が国連ワールドサミット賞受賞

慢性疼痛(まんせいとうつう)に対処するためのVRヘッドセットを開発したオランダの企業「Reducept」がこのほど、社会を良くするデジタルイノベーションに国連から送られる賞である「国連ワールド・サミット賞(UN World Summit Award)を受賞した。Dutch Newsが伝えた。

オランダで慢性疼痛に苦しんでいる人の正確な数は不明だが、医療専門家によると数千人はおり、多くの場合、痛みには明確な原因はない。従来の治療は鎮痛剤を用いるが​​、これらは費用がかかる上に、常に効果があるとは限らず、また副作用もある。

Reducept創業者で心理学者のLouis Zantema氏によると、VRによる治療は、脳を訓練することで痛みに対処するという。また副作用の心配もない。

Zantema氏は次のように話した。「慢性疼痛のある人は、身体から脳に送られる疼痛信号に過敏です。VRで治療が行われている過程を見ることにより、脳は治癒が起こっていると信じるため、この療法で神経系を助けられます。VRヘッドセットを装着して、自分の神経系の中に移動していきます。痛みを伴う斑点は、小さな赤い点として現れるので、それをゲームをしているように撃ってください。痛みを撃ち落とした後のステップは、脊髄に焦点を合わせたマインドフルネスエクササイズです。そこでは我々は、トラウマに苦しむ人々にも役立つ心理的なトリックを使用します。患者は、痛みに集中し、それと交互に行われる複雑な運動を行います」

VRヘッドセットを40人でテストしたところ、全員が痛みの症状が軽減したという。「慢性疼痛はうつ病を引き起こしており、健康システムに大きな圧力をかけています。薬は役に立たないか中毒性があり、専門の痛みクリニックの待機リストは非常に長いものとなっています」

このVRを使った治療法は50を超える医療機関で利用可能だが、健康保険の対象ではなく、セッションには、VRヘッドセットの購入費用と、15ユーロが必要だ。

シェアする
Marie Okamoto

東南アジアで記者経験をした後、日本に帰国。現在はTheDiceのコンテンツプロデューサーとして、海外のニュースを中心に配信。