2019年12月09日

クラウドゲームの仕組みから見えてくるメリットとデメリット

クラウドゲームにはゲーム体験の未来を感じさせる大きな可能性がありますが、同時にいくつかの不安要素も抱えています。ここではクラウドゲームの仕組みと、そこから見えてくるメリット、デメリットを説明させていたします。クラウドゲームの大枠を理解頂くための参考になれば幸いです。

クラウドゲームの仕組み

クラウドゲームの仕組み

クラウドゲームは仕組みとしては単純です。
通常はモニターからゲーム機へ、ゲーム機からコントローラーへと繋がっていて、コントローラーを操作することでゲーム機が処理し、モニターへ映し出すという構造になっています。この構造の中のゲーム機のみがクラウド上にあるというイメージです。
クライアント(コントローラーとモニターを持つユーザー)が処理を要求し、サーバ(サービス提供側の処理装置)が処理結果を返すというこのモデルを「クライアントサーバモデル」といいます。クラウドゲームの仕組みはオンラインゲームとよく似ていますが、大きな違いもあります。クラウドゲームの特徴を理解していただくためにも、現状としてのオンラインゲームの仕組みも説明いたします。

オンラインゲームとの違い

オンラインゲームとの違い

クライアントサーバモデルはオンラインゲームでもよく使われていますが、全ての処理をサーバで行うクラウドゲームとは違います。オンラインゲームのサーバでは主に数値やコマンドといった最低限の処理を行って、クライアント側で映像描画やエフェクトといった処理をします。大きいデータを送るとそれだけラグが大きくなることに繋がるためそういった工夫をしていますが、そのためにはクライアント側にもハイスペックなゲーム機が必要になります。

また、オンラインゲームにはP2Pという通信方式もあります。
こちらはクライアント同士が直接繋がる方式で、対戦格闘ゲームなどでよく使われています。
サーバを介さないのでラグの少ない通信が可能ですが、多人数が参加するゲームでは安定性が低く、向いていません。

クラウドゲームのメリット

クラウドゲームのメリット

ゲーム機もソフトも必要ない

クラウドゲームではサーバ側で全ての処理を行うため、ユーザーはゲーム機もソフトも用意する必要がありません。そのため、今までのように対応するゲーム機をいくつも買う必要がなく、ゲームを遊ぶためのハードルが下がります。

また、ゲーム機が必要ないため制作者にとっても制約がありません。今までゲーム機の性能で動くものをつくっていたのが、容量も処理性能も気にせずに作ることが出来るようになります。(もちろんコスト的な面は気にしなければなりませんが)

高画質なゲームを端末問わずに遊べる

クラウドゲームではクライアント側の端末がすることはストリーミング再生のみで、実際の処理はサーバで行うため高画質でハイスペックなゲームを端末問わずに遊ぶことが出来ます。技術的にはインターネットに繋がってさえいれば、あらゆる端末で遊ぶことが可能です。

また、同じサービスであれば端末をまたいで遊ぶことも出来ます。家ではパソコンで遊び、外では同じゲームの続きをスマホで遊ぶといったことも可能です。

インストールの必要がない

最近はダウンロードソフトだけでなくパッケージソフトでもインストールが必要なことが多く、遊ぼうと思ってもしばらく待ち時間が出来てしまいます。
クラウドゲームではクライアント側にゲームデータが必要ないため、インストールなしですぐにゲームを開始することが出来ます。また、端末の容量を気にする必要もありません。

チートが出来ない

クラウドゲームではゲームデータがクライアント側にないため、物理的にゲームデータ改ざんなどの不正なチートを防ぐことが出来ます。
今後オンラインゲームがクラウドゲームとして配信されるようになれば、チートの被害にあうこともなくなります。

クラウドゲームのデメリット

クラウドゲームのデメリット

遅延

オンラインゲームでもそうですが、クラウドゲームにも遅延が発生します。
特に対戦格闘ゲームではほんの少しの遅延が大きく影響するため、従来のオンラインゲームではP2Pでキー操作のデータのみを送って遅延を少なくしていました。
ところがクラウドゲームでは全てをサーバで処理するため、致命的な遅延が発生する可能性があります。

また、オフラインゲームではモニター関係の遅延しかありませんでしたが、クラウドゲームではそういった1人用のジャンルのゲームでも回線による遅延が発生する可能性があります。

遅延を少なくするためには安定した回線を用意する必要があるため、気軽に遊べるように思えても環境にはそれなりに気を遣う必要があります。

画質

クラウドゲームはゲーム機の制約を受けずにサーバ次第でいくらでも高画質に出来るはずではありますが、ストリーミングの画質を上げると回線への負荷がかかったり、遅延が大きくなったりといった問題が生じる可能性があります。

そのため、実際に体験出来る画質はPS4やゲーミングPCに劣る可能性があります。

サーバが落ちた場合やオフラインでは遊べない

クラウドゲームは常にオンラインで遊ぶため、サーバが落ちてしまった場合やオフラインの状態では遊べません。

特にクラウドゲームのサーバは全ての処理を行うため、どうしても負荷がかかります。
同時にアクセスする人数が多ければ多いほど負荷が大きくなるため、人気のゲームであればそれだけサービス提供側の対策が必要になります。

手元にパッケージやデータが残らない

ゲーム機やゲームソフトを買わなくてもいいという点はメリットでもありますが、逆にとらえるとサービスが終了してしまうと何も残りません。

従来であれば生産終了してしまったものでも持っていれば遊べましたが、クラウドゲームではそういうことが出来なくなります。

MODが入れられない

これはパソコンでゲームをやる人に限られますが、MODという改造データを導入することが出来ません。
これは不正なチートが出来ないことと表裏一体でもありますが、パソコンゲーム界隈ではMODを楽しむユーザーも多く、そういった層には大きなデメリットとして感じられるはずです。

クラウドゲームの今後

多くの問題を抱えていることは否めませんが、大手のサービスが開始され競争が激しくなる中で重要な快適性に関しては改善されていくことが期待出来ます。
ゲームや音楽のダウンロード販売に関しても当初は否定的な見方をされていましたが、今となっては当たり前のように受け入れられています。
まだまだダウンロード派は少数派ですが、それぞれの購入方法のメリット、デメリットを考慮して住み分けが出来ているように感じます。

全ての問題が解決出来るわけではないと思いますが、クラウドゲームならではのメリットも多くあります。
今のゲームの遊び方と完全に置き換わるのではなく、ゲームの一つの遊び方として定着し、住み分けていくのではないかと思います。
皆さんにとって最適な遊び方が何か、それぞれのサービスを試してみながら考えていっていただけたらと思います。

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