カジノIR企業大手、MGMチャイナの業績回復が進んでいる。
マカオでMGMマカオ、MGMコタイ等複数のカジノIRを運営する「MGMチャイナ」。2018年にMGMコタイをオープンするも新型コロナと中国経済の落ち込みに見舞われていたが、今年にはいって業績が急回復している。
中国大陸からのVIPではなく「マス市場」や観光客にフォーカスした戦略が功を奏しているようだ。内実はVIP向けギャンブル天国だったマカオの、本当の意味でのカジノの「IR化」が進んでいるわけだ。
MGMチャイナの2024年第1四半期の営業利益(EBITDA)が約500億円に達し、前年同期比で77%増、新型コロナ前の2019年第1四半期比で155%増だ。
業績回復が著しいのは新しいカジノIRであるMGMコタイのほうだ。
これまでマカオにきたことのある観光客も楽しめる総合エンターテイメント施設となっているからだ。
MGMコタイは第1四半期に約949億円の売上を記録。コロナ直前の2019年第1四半期と比べてなんと倍に増えたかたちだ。
MGMマカオのほうもは約694億円の売上を上げ、2023年第1四半期の約456億円、2019年第1四半期の約674億円と比べても大幅の増収だ。
注目すべきは一般観光客からのカジノ収益が増えていることだ。
なんと一般観光客からのカジノ収益は新型コロナ前の水準より10%高くなり新記録を更新。スロットを含めると新型コロナ前より倍近くになっている。
VIP向けを含めたカジノ収益全体でみるとコロナ前の7割水準だが、一般観光客の増加にカバーされたかたちだ。
ホテルの稼働率も好調で、期間中93.4%を記録した。
観光客パワーが今後もVIP収益の落ち込みをカバーしていくと見られる。
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