米国の半導体メーカーであるクアルコムは、アクセンチュアと提携し、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)で構築されたホテルのイベントスペースを、イベントプランナーが場所を問わず確認できるアプリ「XRイベントプランナー」を発表した。XR(AR/VR/MRの総称)テクノロジーで、ホテルでのイベントの予約プロセスを簡素化するのが目的。
「XRイベントプランナー」は現在、国際的なホテル会社インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)が試験運用している。ホテルでイベントを設定するには、ホテルのセールス、イベントプランナー、最終購入者らが協力する必要があり、このプロセスは最大で6カ月かかることもあるという。イベントの部屋を確認しても望むように設定されていなかったり、なんども行き来したりしてコミュニケーションをとる必要があるからだ。
「XRイベントプランナー」では、仮想空間に構築されたイベントスペースに、イベントプランナー、バイヤー、ホテルのセールススタッフが並び、イベントの様子をプレビューできる。建築上の特徴、レイアウト、照明、カーペットのデザイン、テーブルセット、ファブリックのパターンなど、ホテルのイベント会場が3Dで再現され、ユーザーは、部屋のレイアウトの変更や、テーブルと椅子のセットアップの切り替え、ステージの配置変更、装飾や照明の組み込みなどを仮想的に行える。また、リモートにいながらイベントスペースの変更の様子をリアルタイムで確認することも、セットアップクルーに指示を出すことも可能という。そのため、イベント会社が取引を成立させ、イベントスペースを予約する際のコストを低く抑えながら、ホテルの収益を増やすのに役立つという。
このテクノロジーは、スマートフォンやタブレット、NrealのARグラスやHTC Vive Focus Plus VRヘッドセットなど複数のプラットフォームに対応している。
インターコンチネンタルホテルグループのグローバルホテル・オーナーソリューションの上級副社長であるジェフ・エドワーズ氏は、次のように述べた。
「XRイベントプランナーの試験運用で、アクセンチュアとクアルコムと協力して、ホテルにおけるARとVRのパワーが実証されました。このツールは、インターコンチネンタル ロサンゼルス ダウンタウンなどのホテルに備えており、イベントの取引をさらに迅速に完了し、生産性を向上させると同時に、移動することなくクライアントがイベントスペースを新しくダイナミックな形で体験できます」