フェイスブック・リアリティー・ラボの研究者たちは、VRやARでコントローラーを使わずにハンドトラッキング機能でタイピングできるバーチャルキーボード「ピンチタイプ(PinchType)」を思いついた。バーチャルリアリティでの文字入力は、現在のところ未解決の問題とされているが、これを解決する可能性がある。UPLOAD VRが25日伝えた。
座っているとPCのVRユーザーはPCのキーボードを見ることができず、ルームスケールの体験ではアクセスするのに不便だ。スタンドアロン型VRユーザーは、物理的なキーボードを全く持っていないことがある。
フェイスブックのスタンドアロン型ヘッドセットOculus Questは、12月にコントローラなしのハンドトラッキング機能の「実験的な」サポートを開始した。過去数カ月間のシステムアップデートにより、このトラッキングの品質は多少改善されている。
しかし、 技術が深度センサーなしでヘッドセットのカメラに依存していることを考えると、それは現在、バーチャルキーボード上で高速タイピングするには十分でない。
フェイスブック・リアリティー・ラボの3人の研究者は、このテキスト入力問題の解決に向けた「ピンチタイプ」を発表している。これは、各指に標準的なQWERTYキーボードの文字のグループを割り当てることで動作する。親指に対してその指をつまむと、その文字グループが入力される。
単語を入力するとき、言語アルゴリズムは、各文字グループと以前の文脈に基づいて、入力しようとしていた単語を決定する。研究者たちは、これが従来のアルゴリズムなのか、機械学習を使っているのかについては言及しなかった。フェイスブックは自然言語処理の世界的リーダーとされている。
研究者によると、ピンチタイプは1分間に12語強(WPM)の平均タイピング速度を可能にしているという。比較のために、QWERTYキーボードの平均は40WPM前後、現代のスマートフォンの平均は35WPMと言われている。
現在、Questでの文字入力は、仮想的なフローティングQWERTYキーボードから1文字ずつ選択することで行われている。ハンドトラッキングモードでは、このためタイピングが非常に遅くなる。
ピンチタイプが現在のOculusソフトウェアで使用される予定であることを示すものはない。フェイスブック・リアリティー・ラボは、消費者向けではない研究を発表することが多い。しかし、これは現在のソフトウェアよりも改善されそうにも思える。
いつかキーボードのような高速なテキスト入力方法が実現する日が来るかもしれないが、仮想キーボードを実際の表面に投影するためには、より忠実度の高いハンドトラッキングとリアルタイムの3Dルームセンシングが必要になるだろう。しかし、今のところは、そしてルームスケールでは、ピンチタイプのようなアイデアは、ハンドトラッキングによるテキスト入力をある程度使えるようにすることができるかもしれない。